前回のブログでは、留学できない9大理由を乗り越えるための方法をご紹介しましたが、その方法とは、「貢献」を人生の軸・ミッションに据え、自らの「基準」を高め、継続的に「アクション」を起こしていけば、自ずと留学という壁を越えられるだろうというものでした。
ですが、そもそも日本=世界一と考えている人にとって、日本を出ることはレベルダウンを意味します。そうなると、日本=世界一と考えている向上心のある人は、ますます日本にこもるようになり、海外留学なんて眼中になくなります。
今回のブログでは、世界一=日本一なのか、それとも世界一と日本一には大きなギャップがあるのかをまず考えていきたいと思います。
■日本の世界一■
日本発で世界一の記録には、きんさん・ぎんさんの双子の女性長寿記録や、東京スカイツリーの塔の高さの記録、東京の大都市圏人口や経済規模の記録、細木数子の占い師書籍売り上げ記録などがあります。細かいものを挙げていくときりがなくなってくるので、そんなには挙げません。
でも、より人の努力や工夫が反映されるような基準での世界一はどうでしょうか。生活面、学術面、ビジネス・経済面、文化面の4つの側面から、見ていこうと思います。
■生活における世界一と日本一■
まずは普段の生活レベルにおける世界一と日本一です。
Mercer ConsultingのQuality of Living Surveyによると、世界でもっとも生活の質が高い都市は、オーストリアのウィーンで、日本一の東京は46位です。
国連が出している人間開発指数では、ノルウェーが世界一、日本が12位です。
日本の生活水準で十分満足している人もたくさんいると思いますが、ウィーンやノルウェーはそれ以上の生活をしているのですね。
■学術における世界一と日本一■
日本の教育機関は、どの程度世界で評価されているのでしょうか。
上海交通大学の学術ランキング(研究業績重視)では、ハーバード大学が世界一で、東京大学が日本一(全体で20位)です。タイムスの世界大学ランキング(評判重視)では、カリフォルニア工科大学が世界一で、東京大学が日本一(27位)です。QS世界大学ランキング(教育の質重視)では、マサチューセッツ工科大学が世界一で、東京大学が日本一(30位)です。
東大が世界一になるには、少なくとも19もの世界最高峰の大学を蹴散らさないといけません。
国別のノーベル賞受賞者の数はどうでしょうか。
アメリカ合衆国が最多ノーベル賞受賞者輩出国(338人)で、日本が9位(20人)。人口あたりのノーベル賞受賞者輩出割合では、西インド諸島のセントルシアが、16万人しか人口がいないながら2人の受賞者を輩出し世界一、日本は41位。
日本が世界一の人口あたりノーベル賞受賞者輩出国になるには、40カ国もの国を追い越す必要があります。
日本の教育も、東大のような世界的に評価されている大学もあり、世界的に見れば恵まれているとは言っても、世界には上がまだまだいるのですね。
■ビジネス・経済における世界一と日本一■
今度は、ビジネス・経済分野ではどうでしょうか。
日本において、もっとも人口・経済規模が大きい都市が東京であることに異論はないと思いますが、世界のグローバル都市ランキングではニューヨークが世界一、東京は4位です。
国内総生産(GDP)の総額では、アメリカ合衆国が世界一で、日本が3位です。1人あたりGDPでは、IMFの調査では世界一がルクセンブルグで、日本が17位、世界銀行・CIA、国連の各調査では世界一がモナコで日本がそれぞれ20位、21位、20位です。
世界でもっとも規模の大きい企業はロイヤル・ダッチ・シェルで、日本一はトヨタ自動車(10位)。世界でもっとも利益を上げている企業はガスプロムで、日本一は三菱UFJ銀行(31位)。世界でもっとも賞賛されている企業はアップルで、日本一はトヨタ自動車(33位)。
Forbesによると、世界一の大富豪はメキシコのCarlos Slim Helu氏とその家族で、日本一は柳井正氏(88位)。世界一力のある人物はアメリカ大統領のバラク・オバマ氏で、日本一は日本銀行総裁の白川方明氏(36位)。世界一力のある女性はドイツのアンゲラ・メルケル首相で、日本一はトップ100のランク外で載っていません。
柳井正氏が超大富豪なのは納得ですが、彼の上には87人もさらに大金持ちがいるのですね。想像不能です。
■文化における世界一と日本一■
最後は文化・スポーツといった面における世界一と日本一です。
世界遺産が世界でもっとも多いのはイタリア(47箇所)で、日本は14位(16箇所)。世界でもっとも多くの旅行者が行く渡航先はフランスで、日本は世界トップ10圏外のアジア10位。
夏季・冬季オリンピックでメダル獲得がもっとも多いのはアメリカ合衆国(2654個)で、日本は15位(435個)。
スポーツでも日本には上がたくさんいますが、日本に来る旅行者の少なさはショックですね。
■どうやら世界には、日本よりも上がたくさんいるようだ■
ここまでいろんなランキングや統計を使って、日本と世界、日本一と世界一を比べてきました。
もちろん、ランキングや統計というのは実態の一部を反映しているにすぎません。絶対的な尺度でないのは当然ですが、比較的大きな範囲で、タカの目で見た日本・日本一というのは、時に世界一とは大きな隔たりがあるようです。
そうした世界があり、アジアの他の都市・国・重要人物が台頭している中、日本だけを見ていてはますます飛躍する世界の中から取り残されてしまいそうです。
世界一と日本一の間のギャップを埋めて、日本・日本人という存在感を今以上に発揮していくには、どうしたらよいのでしょうか。4つの方法があると思います。
■世界一と日本一の間のギャップを埋める方法1■
⇒ 世界一の人を日本に呼んでくる
1つ目の方法は、世界一の人を日本に呼んでくることです。そして、日本で働いてもらい、日本人に世界一になる方法を教えてもらうことです。
ですが、世界一の人は大抵本人以上に優秀なブレーンと一緒に仕事をしているので、日本に世界一の本人以上の人がいて、一緒に働けるようでなければ難しいでしょう。他の国で働く以上に、日本で働き教えるメリットがないといけないので、実現は難しいことが多いかもしれません。
■世界一と日本一の間のギャップを埋める方法2■
⇒海外で世界一の人の下で働く
2つ目の方法は、海外で世界一の人の下で働き、世界一のワザを盗むことです。
ただ、これも1つ目の方法と同様、世界一の本人よりも優秀でないと直接ワザを観ることがかなわないわけで、実現が難しい高等テクニックです。
■世界一と日本一の間のギャップを埋める方法3■
⇒海外で世界一から学ぶ
3つ目の方法は、自ら出向いて世界一から教えてもらうことです。つまり、海外留学ですね。
もちろんタダで教えてもらえるほど世の中都合よくいかないので、授業料を払って教えてもらうことがほとんどだとは思いますが、直接教えてもらえるのは大きなチャンスです。
留学ジャーナルが出版している最新の海外大学・大学院留学雑誌に、ハーバード教育大学院修了した人が、「教育に投資すると、60年で13倍のリターンが返ってくる」とおっしゃっていました。世界一から学ぶことは、将来的に驚異的なリターンをもたらします。
ただ、お金がかかるので、手持ちの資金がない人は借金するなどが必要ですし、借金すらできない経済事情の人もいるかもしれません。
■世界一と日本一の間のギャップを埋める方法4■
⇒世界一に関して情報収集する
最後の方法は、世界一に関して、インターネットや書籍などを通して情報収集することです。
この方法であれば、世界一の手を煩わせることなく、自分の手持ち資金をそこまで犠牲にすることもなく、世界一のワザを盗むことができるでしょう。世界一が実践していることを自分も実践すれば、同じような効果が得られるはずです。
ですが、「百聞は一見に如かず」と言われるように、読むのと直接教えを授かるのでは雲泥の差です。自分が受けるインパクト・理解度がまったく違ってくるので、直接教えを授かるのであれば1日で理解できるようなことも、書籍からでは1ヶ月、あるいは1年かかるというようなこともあるかもしれません。
■あなたに劇的成長をもたらす「成長の優先順位」■
おすすめは、上記4つの方法のすべてを試していくことです。ただ、これまでに述べたように、実現の難しさを考えますと、以下の優先順位でまず取り組んでいくことがよいでしょう。
世界一を呼ぶ<世界一と働く<世界一から学ぶ<世界一の情報収集する
これが、もっとも実用的で、自分がもっとも短期間で急成長できる優先順位でしょう。この優先順位を「成長の優先順位」と呼んでみます。
■世界とあなたの収入を変える「貢献の優先順位」■
ただ、あなたの収入が増えて生活水準が高くなるためには、これでは不十分です。社会は、あなたが社会をより良くしてくれたときに、その報酬として収入を増やすからです。自分が成長した後は、社会・世界をより良くするべく、下記のように優先順位が逆になってくる必要があります。
世界一を呼ぶ>世界一と働く>世界一から学ぶ>世界一の情報収集する
世界一と働くことで世界一を助け、そのことで社会がより便利で豊かになり、人々が幸せになります。そして世界一を呼べるようになって、社会全体を世界一に、そしてより幸せにしていくことができるのです。この優先順位を「貢献の優先順位」と呼んでみます。
■まずは世界一に興味を持とう■
ここまで、世界一と日本一の間のギャップについて理解し、そのギャップを埋める方法として、4つの方法をご紹介し、さらに4つの方法の優先順位について見てきました。
こうして大まかな道筋を立てることはもちろんよいのですが、もちろん、それだけでは何も変わりません。道筋通りに実行に移すことこそが重要です。
そこで、まずは世界一に関して情報収集してみることから始めてみてはいかがでしょうか。まず、あなたがもっとも望むものに関して、現在世界一の人に関して興味を持って情報収集してみるのです。海外留学はその後でも大丈夫です。
私の場合は、留学カウンセラーとしてはICS国際教育文化センター(現留学ジャーナル)の創業者である山田勝氏や、「こうすればなれる 留学カウンセラー」を出版された星野達彦氏といった方々になります。日本人ですが、世界レベルですばらしい大先輩です。
みなさんにとっての世界一はだれでしょうか。世界一からうんと学んで、成長して、貢献して、わくわくしながらみんなで世界一になりたいですね。
■まとめ■
世界一と日本一の間には、時として大きなギャップがあり、そのギャップを埋めるには、①世界一を呼ぶ②世界一と働く③世界一から学ぶ④世界一の情報収集する、という4つの方法があります。この4つを、「成長の優先順位」通りの優先順位で実行すると最高の成長が得られ、「貢献の優先順位」通りの優先順位で実行すると最高の貢献を世界にもたらすことができます。
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